Lomography Potsdam Kino Filmを現像

Lomographyのフィルム,POTSDAM(ポツダム)を使った. もうフィルム写真への愛しか感じないフィルムだった. わたくしの好きなフィルムになった. トーンがめちゃ好み. 空気感がやわらかく,自然体で. 今回はそんなフィルムをKodakの現像液“D-76”で現像したときの詳細を記録する. 下記リンクはLomography公式ブログよりPOTSDAMフィルムで撮影や現像する時のアドバイス. ぜひ一読しよう. B&W 100 Potsdam Kino Film:撮影と現像に関するアドバイス · Lomography

準備

使った薬品 現像液はD-76の粉末をパッケージに記載の方法で溶解してつくったものをそのまま使用. 停止液は富士酢酸(50%)30mlを1Lの水に混ぜたもの. 定着液はマイフィクサー1部に対して水を4部(1+4),なので1Lの定着液をつくる場合は200mlを800mlの水で割る. ドライウェルは2Lの水に10ml混ぜたものを使用. ぜんぶパッケージの説明通り.

サクッと現像!

時間と撹拌だけ抜き出すと...

各々の液温は20℃とする.
  1. 現像: 5分半,初期撹拌は5秒,その後30秒間隔で初期撹拌(T-MAXと同様)
  2. 停止: 30秒間連続撹拌
  3. 定着: 3分,初期撹拌は30秒,その後1分間隔で30秒(ACROSと同様)
  4. 水洗: しっかりと
  5. ドライウェル: 30秒浸す

雑談も交えながら手順を記すと...

ビーカー4つにそれぞれ液を入れる. ビーカーは大きなバットに入れて水温20℃の水に浸して置く. あるいは各々の液温が20℃になるよう湯煎したり,氷水で冷やしてみたりしても良いかも. わたしはざっぱな性格なので±3℃なら許容範囲. ただ,特に気にするならば現像液の液温は可能な限り20℃に近づけたほうが吉. 次いで定着液も20℃に近いと良い. 停止液とドライウェルの液温は気にしてない. ここらへんはお好みで神経質になったり,ざっぱになったりしていいと思っている. また,特に冬場のような寒い環境で現像する場合,フィルムや現像タンク自体が冷たくなっていて,現像タンクに現像液などを入れると冷めてしまう場合があるので,25℃くらいの水を一番最初に現像タンクに入れてトントン叩いて気泡除去をした後(というかフィルムをムラなく濡らした後)30秒ほど待ってから排水して,現像液を入れるようにしている. 邪道なやり方かもだけど,意外といい感じに仕上がるので気に入っている方法.
現像液を入れたら5分半タイマーを走らせて,5秒で5-7回転倒させる(もしくはツマミを回す)スピード感で初期撹拌. その後は30秒ごとに初期撹拌(5秒撹拌)を繰り返す. この撹拌はKodakのフィルム,T-MAXと同じ手順を採用. 5分半しっかり現像液に浸したら,しっかりと排出し,停止液を入れる. 停止時間は30秒ほど,連続撹拌(ずっと転倒もしくはツマミを回し続けて撹拌する). 現像液による化学変化を止めることが停止液の役割. 30秒もやれば十分なのですぐに排出. 次は定着液を. フィルムは光を浴びたところが化学変化を起こす. 現像液がその部分の特性を変化させる. 定着液はフィルムを透明にする作用を持つ. 現像液で変化した部分は定着液で透明にならない. つまり光の当たった部分のみ,フィルムが透けないようになる. つまらない小話はどうでもいいので定着をしよう. 定着液を入れて3分タイマーを走らせる. 初期撹拌は30秒. その後1分間隔で30秒の連続撹拌をする. これはFujifilmのACROSと同じ. これで現像タンクの中を覗くと,綺麗に画が出ているはず. ちなみに,POTSDAMのクリアリングタイム(定着液によってフィルムが透明になるまでの時間)を調べたところ15秒ほどですけっすけになったので,たぶん定着時間はもう少し短くても大丈夫か,撹拌する間隔を伸ばしても大丈夫かも.
↑ 写真はイメージです(ACROSです)
あとはしっかりと水洗をして薬品がフィルムに残らないようにする. わたしは変な所で神経質になるので,水滴が残らないようにドライウェルに浸してフィルムの乾燥時に水はけが良くなるようにしている. ドライウェルとはいうものの,正体は界面活性剤. ドライウェルを現像タンクに注いで30秒浸したら,拭わずにそのままフィルムを乾燥させる. なるべくホコリの立たない場所に6時間ほど放置すれば,かなり綺麗にさっぱり乾燥するはず. これで現像は完了!

仕上がり

現像をしてみて,現像に要する時間がかなり短くて助かるフィルムであることも分かった. なによりクリアリングタイムの短さには驚いた. 最後はゴム手とシェイクハンド. よくやった,Good Job,ゴム手,Good Job,おれ.
乾燥したフィルムを見ると,パーフォレーション脇に「LOMO❤️」なんて書いてあって微笑んだ. こういう遊び心はとっても大切. ひとを幸せにする.
そして何より驚いたのが,フィルムがカールしない点! T-MAXなんかは結構カールしちゃうけれど,POTSDAMはほぼカールせずに乾燥した. スキャンするとき,とっても助かります.
LomographyのPOTSDAMにて撮影
今回はLomographyのPOTSDAMを現像した際の手順を記した. フィルムをスキャンしてみると,再びの驚き. トーンがとっても美しかった. 個人的に大好きなフィルムになった. リピートは必須. もっとスピーディーかつ実験的な現像レシピを探ってみたい. HAPPY FILM LIFE!
7107149268859749463 https://www.storange.jp/2019/08/lomography-potsdam-kino-film.html https://www.storange.jp/2019/08/lomography-potsdam-kino-film.html Lomography Potsdam Kino Filmを現像 2019-08-30T21:16:00+09:00 https://www.storange.jp/2019/08/lomography-potsdam-kino-film.html Hideyuki Tabata 200 200 72 72