自然が生み出した数列

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1
2
3
5
8
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21
34
55
89
144
233
377
610
987
1597
2584
4181
6765
10946
17711
28657
46368
75025
121393
196418
317811
514229
832040
1346269
2178309
3524578
5702887

入り口

いま挙げた数列は、ある規則に従っている。
この数列は、自然界にも見出すことができる。
ならばこれを数学と自然界を繋ぐ架け橋と言おう。
実はこの0と1から始まる数列は、加算に従っている。
0+1が次の数字1。1+1が次の数字2。1+2が次の数字3…。
2つ前の数字と1つ前の数字を足せば、今書くべき数字が求まる。
単純な規則に支配されたこれら数たちは、とても美しい図形をも描く。

単純な規則

1番目の数字が0。
2番目の数字が1。
3番目の数字=2つ前の数字+1つ前の数字。
ゆえに3番目の数字は1。
4番目の数字=2つ前の数字+1つ前の数字。
ゆえに4番目の数字は2。

これを一般化する。
(n)番目の数字=(n-2)番目の数字+(n-1)番目の数字
$$ (n) = (n-2) + (n-1) $$
たったこれだけ。

見つけた瞬間

人間がこの数列に気づいたときのお話。
この数列を見つけた人はその時、美しい図形には興味が無かった。
では、何から見つけたのか?
その人はウサギの個体数に興味があった。
もちろん頭の中の想像上のウサギについての。
頭の中の想像上の大地には最初、オスとメスの小ウサギがそれぞれ1匹づついる。 ひと月が経つ。 その小ウサギはひと月で成長し、 ふた月が経つ頃にはオスとメスの小ウサギを生む。 生まれた小ウサギは親と同じようにひと月で成長する。 親ウサギはその間にオスとメスの子ウサギを生む。 もうひと月経つ。 小ウサギは成長し、親ウサギはまたオスとメスの小ウサギを生む。 同じく成長した子ウサギもオスとメスの子ウサギを生む。 ここで彼らは不死であるとする。
この過程を繰り返す。
これらの関係を図にしよう。
脳内にある想像上の大地に住むうさぎ達。
縦に並ぶ数字は経過時間(ヶ月)。
横に並ぶ数字はうさぎの世代数(世代)。
もう一度、このうさぎ達についておさらい。
最初はオスとメスの子ウサギがいる。
ここに住むうさぎは次の成長パターンを必ず見せる。
子ウサギは1ヶ月で大人に成長。
次の1ヶ月でオスとメスの子ウサギを生む。
生まれた子ウサギは、生まれた月からこのパターンに従って成長/繁殖する。
そしてこのうさぎ達は不死である。
その時、このうさぎ達の時間に対する世代数の増え方、
それを数式化したものが…
$$ (n) = (n-2) + (n-1) $$
そう、あの数列の発見である。

美しい図形

実はこの数列には、いくつもの驚きが隠れている。
ここにその驚きを、ほんの少しだけ、記録しよう。
まずはこの数列が描く螺旋について。
こんなマス目があったとする。 このマス目に正方形を隙間なく敷いてゆく。
このとき敷く正方形の辺の長さは、あの数列になるように。
こんなふうに隙間なく。 ここで、これら正方形の一角を中心とする円を描く。
ようは半径があの数列になる円で、正方形を埋めてゆけばOK。 このとき上図のように、円周が一筋になるよう円の中心を置く。
正方形が円で埋まったら、その円周をなぞってみよう。 なんと美しい螺旋が描けた! この螺旋は自然界のあらゆるところに見出すことができる。
貝殻の曲線。
水が渦を巻くときの形。
動物のツノやキバのカーブ。
宇宙に浮かぶ渦巻き状銀河の形。
電子の衝突で飛び散る素粒子が描く軌道。
このような螺旋は、ベルヌーイ螺旋と呼ばれる螺旋の仲間であると言える。

金色の数字

この数列は、美しい螺旋を描くだけでは終わらない。
この数列を使えばより美しい図形も描けるのだ。
善は急げ。
この数列が今すぐ逃げ出すワケでは無いが、今すぐ試して損はないだらう。
数列の(n)番目の数字を、(n-1)番目の数字で割る。
$$ \frac {\left( n\right) } {\left( n-1\right) } $$
例えばnが10なら、
10番目の数字”34”を、9番目の数字”21”で割る。
$$ \frac {34} {21} $$
もしこのnが、とてつもなく大きな数字だったとする。
100番目より、
10,000番目より、
100,000,000,000番目より
大きな数字。
数学には良い表現方法があった。
nを限りなく無限に近づける
$$ n \rightarrow \infty $$
あるものを限りなくある数値に近づける操作を、
数学の言葉で”極限(limit)”という。
そしてそれを $ \lim $ と書く。
こんなふうに
$$ \lim _{n\rightarrow \infty }\frac {\left( n\right) } {\left( n-1\right) } $$
数学を使うと、こんな簡単な式に表現できる。
あの数列を規則どおりにずっとずっと書いてゆく。
無限と言っても良いほど書いたとき、今書いたその数字を1つ前に書いた数字で割る。
すると不思議なことにある数字に落ち着いてゆく。
1.61803399…
この数字はとても美しい数字で、 その名を黄金数(Golden Number)と言う。
この数字についてはまた後ほど…。

この記録の終わりに

これは始まりに過ぎない。
この数列の魅力はこれだけではない。
もっとこの数列の秘密を知りたい。
そうだ。
最後にこの数列の名前を挙げておく。
この数列、自然が生み出した美しい数列の名は、
見つけた人の名前にちなんで、
フィボナッチ(Fibonacci)数列
と呼ばれている。
もちろんこれは人間界にのみ通じる名前だが。

参考/引用元/文献

8023966795898422755 http://www.storange.jp/2012/10/blog-post.html http://www.storange.jp/2012/10/blog-post.html 自然が生み出した数列 2012-10-01T00:46:00+09:00 http://www.storange.jp/2012/10/blog-post.html Hideyuki Tabata 200 200 72 72